交渉に際しての注意点

未払を生じさせている取引先との交渉に際しては、幾つかの注意すべき点が見過ごせません。何より交渉を持ち掛ける時点で、既に相互信頼関係は微妙な状態となっていて当然です。更に支払いに窮する相手側は自組織の存続が危うい状況とも対峙しており、冷静な話し合いの場が時に、不安定な感情面が首を擡げてしまい、感情的な売り言葉から買い言葉を通じ、結果決裂なる望まぬ方向へと展開してしまう可能性が否めません。

時に売掛金額が高額かつ、こうした交渉が初めての場合には、然るべき専門知識と経験値を有する第三者、例えば弁護士の無料相談を事前に利用から、適切なアドバイスを仰いでおくのも一案です。とりわけ確かな実績を謳う売掛金回収を取扱う弁護士であれば、相談者である皆さんと同様の相談との対峙経験も豊富です。現状や負債額、希望されるベストな解決などを伝える事で、交渉に際する要注意点や具体的なノウハウなど、有益な助言が期待出来ます。

交渉は一方が他方を一方的に攻め立てる詰問とは違い、双方が最大限歩み寄る事で、あらためて約束事を相互確認から、それを今度こそ遵守する事で解決に至るに際しての第一段階のコミュニケーションです。相手先との関係をこれ以上悪化させず、確実に売掛金全額回収に至るべく、自社を代表して凛とした姿勢で臨んでください。

解決後を見据えて

相互信頼関係に基づき、中長期的にスムーズに継続していた信用取引が揺らいでしまった時、そこに「悪意」は見当たりません。原因はただ1つ、取引先の資金繰りの悪化と断定しても間違いなく、売掛金未回収イコール、取引先として今後売掛取引を継続するに際し、大きなリスクが否めぬ事実を伝える「警鐘」と解釈すべきです。ですが未回収額次第では、このまま放置から最悪相手先が倒産となれば、多額の損金となり自社の資金面のダメージが見過ごせません。

対して未回収額が比較的少額で、あくまで相手先との良好な関係の継続が、自社の今後にとっても最重要選択肢と判断した場合、交渉という手段を用い、可能な限り条件面を譲歩して売掛金を回収する方法が視野に入ります。あくまで相手先の事情説明に確かな信憑性が確認から、譲歩した条件に沿った支払の遵守が確信出来る事が前提ですが、例えば分割での回収など、最終的に全額回収に繋げる方法を提案するスタイルで臨むのも一案です。但しこうした支払期限をズルズルと延ばす行為を,なし崩し的に「当然」と振る舞う企業が潜在的に数多く存在しているのも事実です。過ぎたる譲歩が悪しき慣例を定着させてしまっては本末転倒であり、正当な請求者としての毅然たる姿勢を忘れてはなりません。

取引先との関係を熟慮

売掛金の回収が滞り続ければ、当然自社の資金繰りに悪影響から、健全な経営に大きなリスクとデメリットが否めません。何より売掛取引は相互信頼関係に基づく取引スタイルであり、これを反故とされた状況である以上、速やかな回収から揺らぎかけた信頼関係の再構築に努める事で、取引先と自社双方にとって重要な金品の継続的な流れを確保せねばなりません。

売掛金の未回収が生じた場合、いきなり強硬な督促に及ぶ事は通常ありません。相手先の経理処理上のケアレスミスを念頭に、確認というニュアンスでの打診から直ぐに入金対応が有れば問題ありませんが、対応放置あるいは理解難な釈明から時間ばかりが経過する、更に譲歩した期限内にも対応が為されないとなれば、状況は一気に深刻となります。

ここで経営陣すなわち組織としての意思決定権を有する立場として、一時の感情で強硬な督促を届けてしまわぬよう、あくまで冷静かつ早急に、現状から最悪未回収となった場合のシミュレーション作業を通じ、ベストな督促方法を見出す作業が求められます。取引先との関係を絶ってでも今回の売掛金回収を最優先とするのか、ギリギリまで穏便な解決から引き続き取引関係を維持すべきなのか、自社にとって極めて重要な選択を下さねばなりません。

不可欠な売掛金回収

一定回数の取引が円滑に繰り返されれば、相互信頼関係に基づき、その都度の現金決済から請求書を用いた「掛売」と称される取引スタイルに移行するのが、私達が事業を営む経済社会に於ける自然な流れです。毎回の現金決済と比較して、双方の負担の軽減が叶うメリットは大きく、今日「月末絞め〇〇払い」の概念は、事業所間に於いてごく一般的に採用されています。

ですがこの相互信頼関係に基づく売掛スタイルでの取引が。時に相手先に対して一気に不信感を募らせる引き金を引いてしまうケースが無視出来ません。支払期日を過ぎても請求額の入金が見当たらぬ、いわゆる契約不履行状況の発生です。最初こそ言葉を選んでの督促を届けるも、理解に苦しむ言い訳から支払期限の猶予を求める曖昧な回答しか得られぬ繰り返しの中、時間ばかりが経過してしまう展開となれば、自社側にとってのデメリットは単なる売掛金未回収だけにとどまりません。とりわけ相手先が主力取引際の場合、月々の今後の売上総額にも深刻なダメージが否めず、自社の経営状況にも暗雲が立ち込めてしまいます。

ここで強硬手段を用いてでも売掛金回収を最優先した場合、その後の良好な取引関係の継続は諦めざるを得ず、大幅な事業計画の修正が求められます。対してあくまで平穏な解決から、相手先の取引姿勢の是正も含め、今後も大切な取引先としての円滑な関係を継続するのであれば、あくまで紳士的な交渉を持ち掛けるのがベストです。ここでは以下、支払が滞った売掛金回収に際し、交渉という手法を用いる場合に着目から、踏まえておきたいポイントなどの確認作業を進めてみたいと思います。